―――まずcontactEARTHが生まれる前のお話を聞かせてください。
三浦 僕は今まで20年以上コンサル業界に身を置いてきたんですが、クライアントに対してイノベーションをうたっているコンサルティング会社に違和感を持っていました。
その違和感とは、イノベーションをうたっているコンサルティング会社自体がそもそも「イノベーション起こせているのだろうか?」という点です。
例えば、世界的に有名な戦略コンサルティングファームであるマッキンゼーの設立は1926年、ボストンコンサルティングは1963年、アクセンチュアは1989年と90年以上前から存在するような会社ばかりなんですが、ビジネスモデルはほぼ変わっていないように見えるんです。
何十年も同じビジネスモデルで事業を行っている会社がイノベーションをうたっている、これって本当に説得力はあるのだろうか?と、疑問に思ったんです。
そして僕は、まず「自分たちがイノベーションを起こすべきではないか」と考えるようになり、コンサルティングビジネス自体のDXをすべきではないか?そのDXを実現した企業にこそイノベーションをうたうことに説得力があるのではないか?と思うようになったのです。
―――前職で感じていた疑問が開発のカギとなったのですね。
三浦 はい。そうなんです。そこで僕はまず、既存のコンサルティングビジネスモデル自体の構造の把握や、課題について考えてみました。コンサルティングビジネスはどこまでいっても労働集約型のモデルとなり、社員であるコンサルタントが最大の資産ということになります。
つまり、優秀なコンサルタントは常に市場では取り合いとなり、コンサルタントのマーケット価格は上がり続ける事になります。
また、コンサルティング会社は外資系が多いため、本店へのロイヤリティ支払いやブランディングを維持するための設備費や広告費が必要となり、出さなければならない下限の利益率は平均60%以上となっているケースがほとんどです。その為、クライアントである企業はコンサルティング会社に多額のフィーを払わないとコンサルティングを受けることが出来ません。
―――高額な費用がかかってまでも企業がコンサルティングを依頼する理由はなんでしょうか。
三浦 企業がコンサルティング会社へ依頼する理由は以下2つに絞られます。
①自社にない知見を獲得したい
②労働力を獲得したい
上記理由に企業は多額のお金を支払います。自社にない知見とは、例えばITに関することです。企業は自社サービスで事業を行い収益を上げますが、自社サービスが必ずしもITに関連した事業とは限りません。極端な話、その企業にITが解る人が1人もいないということもあり得ます。そうした場合、ITに関わる仕事が発生した場合、自社でITが解る人間を採用するか、外部委託に頼るしかありません。
社員採用しようと思っても数か月は時間が掛かりますし、そもそもIT人材は人手不足で市場では取り合いなので、簡単に採用出来るとは限りません。
結果的に外部委託先であるコンサルティング会社に依存する構造となります。また、企業は労働力を確保するためにコンサルティング会社を活用することもあります。
これをアウトソーシングといいますが、自分達でもできる仕事であっても社員にとって付加価値の低い仕事だったり、外部委託した方がコストが安くすむ場合、このアウトソーシングを企業は活用します。
さらに、ある一定期間のみ人手が必要な場合、企業としては社員で抱え込むには雇用リスクが発生しますので、このアウトソーシングを活用するというのも選択肢になります。
―――なるほど、効率よく自社の変革を起こせる外部委託活用は魅力的に感じます。
三浦 ここまでは外部委託活用のメリットだけを説明してきましたが、残念ながらこの企業の外部依存体質にこそ課題があると僕は感じているのです。
外部委託に依存しすぎる事により、コストの増加、委託先なしでは成り立たない組織体制、ナレッジの外部流出、イノベーションの足かせなど、様々な問題を生んでいます。僕はこの問題を解決する事こそ新たなコンサルティングビジネスモデルとなりえるのではないかと考えました。
―――その課題を解決するために生まれたcontactEARTHのコンセプトは何でしょうか。
外部委託依存体質を改善するContactEARTHのコンセプト
三浦 ContactEARTHの基本思想は、「企業の内製化を促進する事」にあります。
内製化とは、企業が外部委託に依存せず、自分たちで事業活動に取り組める状態のことを指します。企業が内製化を行うことにより、企業内でのナレッジの蓄積、外部委託からの脱却による大幅なコスト削減、変化する市場への柔軟な対応、そして何よりも企業にとって最も重要な、DX・デジタルトランスフォーメーションを自ら実現できる組織を持つ事が出来ると考えたのです。
今後僕たちはこのプラットフォームサービスを国内だけではなく、世界中の企業で活用いただくことで世界中のイノベーションを支えるプラットフォーマーになることを目標にしています。
また、contactEARTHではDX・デジタルに取組むエキスパートの為の情報メディアも運営しています。